▼新年のご挨拶2016/01/01 02:42 (C) 医療法人社団聰明会 みゆき整形外科クリニック
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介護老人保健施設白鷹あゆみの園では、20床の認知症専門棟を来年4月に開設する予定です。今年からその新しい建物の建設が始まります。入所者の皆様方には多少の御不便をおかけするかもしれませんが、ご容赦いただきたく存じます。また、新たに看護師、ケアワーカーの募集も致しますのでご応募お待ちしております。
介護保険制度が始まるとともに開設された白鷹あゆみの園ですが、その間幾度とない制度変更があり、その都度に利用者の方に向けての料金表、手続きの説明書、契約書、パソコンソフトの変更など膨大な事務処理に追われてきました。人員の基準も施設ケアマネージャーの新設など人手のかかるような制度変更がなされ、国、厚生労働省に振り回されてきた印象の強い10年間でした。
年間1兆円ずつ医療費が増えるとの予測で、平成元年頃より老人を医療ではなく福祉でみるという介護制度が始まりました。しかし、今になっても毎年医療費が1兆円ずつ増えています。これは、この制度が根本的に間違っていた証拠ではないかと思っています。ころころころころ制度が変わって、人手と手間が増えるような変更「改悪」がなされ、地方自治体の現場、医療現場は疲弊しつくしている感があります。国の政策を考える時、「木を見て森を見ず」、「朝令暮改」、「無責任」という言葉が頭に浮かびます。そしてその失敗に対して厚生労働省は絶対に認めないし、責任も取らない。介護制度云々の前にこの国の制度が根本的に間違っているのだと思います。
医療介護分野のみならず、この日本が何とか成り立っているのは、無責任な政治家、政府、官僚の不出来を尻拭いしている優秀でお人よしで、且つ勤勉な国民がいるからです。だまされても文句を言わない多くの国民の上に胡坐をかいているのが、政治家、官僚です。消費税が、来年から10%にあがることはみんな知っていますが、トヨタをはじめとした自動車会社や輸出型産業では、消費税を払わずに消費税還付金として年間総額3兆円ものお金をもらっているのを知っている国民はほとんどいません。医療機関は、患者が払うべき消費税を負担しているのを知っている人もほとんどいません。この国の自治体のほとんど、国までもが資本主義では当たり前になっている複式簿記をとらずに単式簿記を採用し続けていること、他の国では例を見ない一般会計予算と特別会計予算の二重帳簿があること等々、皆さんほとんど知らないでしょう。私からすればだましの数々の制度です。知れば知るほどいい加減嫌になります。まず少なくとも、若い世代が積極的に投票に参加して意思表示をしなければ、この国は変わりません。これからの若い世代に期待しています。
この間、自民党参議院議員の羽生田俊先生に質問する機会がありました。先生が話していた言葉が印象に残りました。厚生労働省の役人がこう言っていたそうです。「医者は患者がいる限り、患者から離れない。」どんなに締め付けようが、医者は患者から離れないから締め付けても大丈夫だという意味だそうです。たしかに!その通りではある。しかし、それは江戸幕府の百姓に対する政策と同じでしょう。百姓は土地から逃げない(実際は、苦しさのあまり逃げた人もいるようですが。)。だから絞れるだけ絞って「百姓は生かさぬよう殺さぬよう。」生活させる。官僚は医者も同じだという認識なんだと愕然としました。このような認識の人間に牛耳られているのはなんとも片腹痛し。しかし、我々医者は逃げないで地域医療のためにその生涯をささげなければならないのです。私の知り合いの医師たちもみな同じ気持ちだと思います。しかし、この制度は変えなくてはならないと強く思っています。新たな変革の始まりに今年がなることを願ってやみません。若い医師たちよ、自分の技術を高めることにだけ目を奪われて、自分が馬車馬のごとく働かされている原因に考えが及んでいないことに早く気づいてください。気づいて行動すれば、医療は変わる。国民の多くが気づけばこの国は変わる。