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▼年頭所感

あけましておめでとうございます。今年も医療法人社団聰明会をよろしくお引き立てのほどお願い申し上げます。
 昨年4月には介護老人保健施設白鷹あゆみの園に認知症専門棟を20床増床し、規模がついに100床になりました。施設の規模は大きくなりましたが、職員がなかなか集まりません。大都会の仙台でも介護職員が集まらずに、フロアの閉鎖に追い込まれたり、廃業したりしている施設もあるそうです。人口減少の激しい白鷹町ではなおさらです。国の決めている施設基準では満足のいくサービスはできないので、当施設では基準以上の人員を配置しています。そうすると経営は苦しいものになります。全国どこの施設も同じようなものと思います。職員の配置、料金すべて国に決定される施設なので国の施策が改善されることを願うばかりです。
しかし、国が老人を医療ではなく介護でみると決定してから約30年たちますが、国の医療介護施策はコロコロ変わり、しかも現場の人間が忙しくなるだけの、改正とは名ばかりの改悪ばかりだったと思います。今後もあまり期待はできないでしょう。
江戸時代に幕府がいろいろと改革を行ったがすべて失敗し、結局滅びてしまったのを思い出します。日本がそうならないことを願うばかりです。私たちは江戸時代の百姓のように苦しくとも強くしたたかに生きていかなければならないと思っております。
さて、話は変わりますが、毎年正月になると思うことがあります。年末年始の日本民族の大移動です。
田舎から都会に出た子供たちが孫を連れて帰省してきます。親はその準備で、家の大掃除をしたり、布団を出してきたり食事の準備をしたりで大忙しです。そして、子供たちが帰った後はその疲れであちこち痛くなったり、病気になったりします。みゆき整形外科クリニックの年初めの外来は毎年大混雑となります。
 一方、子供達の方は、皆が皆そうだとは言いませんが、孫の顔を親に見せるのが親孝行だと思っているらしく、孫を連れて帰ってきてからは、ゆっくりとして飲む喰う三昧、最後はお土産までもらって帰るという、まるで一流旅館で正月を過ごしているようなものです。
 まあ、親も子もお互いにうれしいのですから、何も言う筋合いはないのですが、子供たちに言いたいです。それで親孝行をしたことになるのですかと。帰省したら親の代わりに、掃除洗濯、食事作りなど全部親の代わりにしてあげて、親を一流旅館に行ったように振舞わせてあげるのが本当の親孝行だと思うのですが、いかがでしょう。お盆の時もそうですが、親たちの疲れ切った病気になった姿をクリニックで毎年見ているとそんな風に思ってしまいます。
 親が高齢になり、自分で生活できなくなり一流旅館に泊まれなくなったので、不満をこちらにぶつけるわけでもないのでしょうが、施設に頼むときは低姿勢でいて親を施設に預けっぱなしにし、普段めったに様子を見にも来ないで、何かあると突然文句を言ってくる故郷を離れた子供がいます。そんな輩は人間としてどうなのか、日本人としてどうなのか、飽きれてしまいます。日本人の道徳観の欠如を感じています。
 今年もいろいろなことがあるでしょうが、地域のために微力を尽くしていきたいと思っております。あらためましてご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

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