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▼【仕事のススメ】第2回『就職が早く決まる人』

前回の一時限目は「幸せとお金は跡(あと)からついてくる。」という話をしました。

雇う側の社長は「働いてくれたら、その分なんぼでも払うよ。」と考える人が多く、一方、働き手は「お金くれたら、その分働くよ」と考えている人が多く、お互いに譲らない綱引き状態。これがなかなか就職先の決まらない人の原因のひとつ、という話をしました。

今回は就職が早く決まる人の共通点について考えていきたいと思います。
いろいろあるけども、次の3つを押させておきたいですね。

1. オープンな人
2. 自分のやってきた仕事をちゃんと語れる人
3. 謙虚な人

まずは、1番目の「オープンな人」について説明しますね。企業は組織で成り立っています。「一人では仕事はできない」という言葉をよく耳にしますよね。組織とは人と人との繋がり、関係です。繋がりや関係がぎくしゃくしたり、切れたりしていると、とたんに会社の業績が下がります。工場では、作業者の仲が悪い職場は2〜3割も生産数が少なくなるといいます。逆に人間関係がよければ、あっという間に生産性は上がります。この人間関係を円滑にしてくれる繋ぎ役が実は「オープンな人」なんです。
採用面接では、質問されたことには素直にまっすぐ答えましょう。
仕事に関係がないプライベートなことは、採用面接の質問では聞いてはいけないことになっていますが、自分から話すことはいっこうに差し支えありません。もし、抵抗感がなければ、自分のことをより良く理解してもらうためにお話しすれば「オープンな人だな」と受けとめられます。
注意したいのが「退職理由」の答え方。のらりくらり、だらだらと答えると面接者の心のなかに「あっ、この人は何か隠してるかもしれない・・・」との疑念がわいてきます。さらっと、簡潔明瞭に質問者の目を見ながら、答えましょう。隠し事のないオープンな人だな、との印象を与えますよね。

2番目の「自分のやってきた仕事をちゃんと語れる人」とは、自分の情報をきちんと相手に伝えられる人のことです。会社全体の仕事の流れを説明し、その中で自分はどの部分をどんな機械や道具を使いながら担当したか。更に、担当業務の難しさや、どんな工夫をしながら仕事をしてきたかを、具体的に説明してくれるとすごくよくイメージできますよね。
例えば、こんな風に・・・「わたしは洋菓子を作る会社に勤めてました。造ったお菓子は店売りもしますが、デパートやスーパーのお菓子売り場にも納品します。その中で、わたしは10人位働く製造部門で仕事をしてました。担当は焼き菓子です。材料を調合し、粉をよく混ぜて、オーブンで焼き上げます。難しいのは焼き加減ですね。気温や湿度によって、焼き加減が変わってきます。毎日の温度と湿度と焼きあがりを記録し、データ化し、焼き加減を工夫してきました」
自分の働いていた姿を、面接者にイメージさせることが出来る人は、頭の中が整理されている人、仕事を全体的にとらえている人と受けとめられ、評価が高くなります。
自分の事はあまり語らずに、「社会保険はありますか」「土日は休みですか」など労働条件の事ばかり聞いていてはだめですよ。

最後、3番目は「謙虚な人」について。どんなにオープンで、どんなに仕事が出来る人でも、威張っていたり、自慢げだったり、人を見下したような態度をとる人だったら、どうですか?もし、あなたが面接官だったら・・・・心のなかで反感を感じるだけですよね。「そんなに自信があるんだったら、他の会社にいげばいいのに。仲間の和をみだす人物だ。」と思われて、不採用になってしまいます。
逆に、入社試験で訪問した会社で、面接会場への案内役の女性に「こんにちは」「お世話になります」「ありがとうございました」などという声を掛けたらどうでしょう。また、廊下ですれ違う社員の方にも「こんにちは」と挨拶したら、どうでしょう。礼儀ただしく、謙虚な方だなぁ、と思われるのではないでしょうか。
何百人もいるような大会社でないかぎり、面接官だけが採用を決める評価者ではありません。面談を終えた社長や総務部長は、部屋からでてきたら、案内役や事務所の人たちに聞くんです。「さっき来た人はどんな印象だった?」と。
「感じよかったですよ」と答えてくれれば、ウラオモテのない人物だな、と判断されますし、「挨拶しても、ツンとして返事も返してもらえませんでした」なんて答えられたら最悪ですよね。面接会場の中でだけ謙虚ではダメ。周りの人全部に謙虚に接することが大切です。

この3つとも、面接のときだけ演じようとしても上手くいくはずがありません。お判りですよね。普段からの心がけと、準備が必要ですよ。

さて、次回は「製造業で正社員になる近道」と題してお話しいたしましょう。

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TanQ(アイン企画発行)
Vol.9(2006年6月号)に掲載


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